【魚臭い?】ベトナム料理に欠かせない「ヌクマム」―実は“かける”だけじゃない魚醤の使い方

みなさん、こんにちは!
高円寺南の路地裏にある小さなバインミー専門店「バインミーバイミー(Banh Mi by Me)」です。

バインミーを食べていて、

「なんだか分からないけれど、あとを引く旨味がある」

と感じたことはありませんか?

バインミーには、お肉やレバーペースト、なます、ハーブ、チリソースなど、さまざまな味や香りが重なっています。

その中で、ベトナム料理らしい旨味を陰から支えている調味料のひとつが、

ヌクマム(Nước mắm)

です。

魚と塩を発酵させて作る、いわゆる「魚醤」。

「魚醤って、魚臭くないの?」

「タイのナンプラーとは違うの?」

そんな疑問を持つ方も多いと思います。

今回はヌクマムそのものについて少しご紹介しながら、当店ではこの調味料をどのように使っているのかをお話しします。

🐟 1. ヌクマムって何?まずは言葉を分解してみます

今回も恒例の、ちょっとだけベトナム語のお話から。

💡 【プチベトナム語講座】

  • Nước(ヌック) = 水、液体
  • Mắm(マム) = 魚介類などを塩漬けにして発酵させたもの

ヌクマムは、魚と塩を仕込み、発酵・熟成させることで作られる液体調味料です。

日本の調味料に無理やり例えるなら、「魚から作る醤油」のような存在でしょうか。

もちろん、日本の醤油とは原料も製法も違います。

ですが、単に塩味を付けるだけではなく、発酵によって生まれた旨味や香りを料理に加えてくれるという点では、少し似たところがあります。

魚のタンパク質は熟成の過程で分解され、さまざまなアミノ酸になります。

そのためヌクマムは、塩味だけでなく、少量でも料理に旨味やコクを加えてくれる調味料なのです。

🇹🇭 ナンプラーとは何が違うの?

お店でも、

「ヌクマムって、ナンプラーとは違うんですか?」

と聞かれることがあります。

タイの「ナンプラー」も、ベトナムの「ヌクマム」も、大きく分ければ同じ魚醤の仲間です。

原料にはアンチョビ(カタクチイワシ科)などの小魚がよく使われ、魚と塩を発酵・熟成させるという基本的な作り方にも共通点があります。

そのため、

「ヌクマムはまろやかで、ナンプラーは塩辛い」

というように、国だけで簡単に味を分けられるものではありません。

実際には、メーカーや産地、使う魚、塩分、熟成方法などによって味や香りはかなり変わります。

今回は当店でのヌクマムの使い方が主役なので、この違いについてはこのくらいで。

魚醤のお話は掘り始めるとかなり深いので、また別の記事で詳しくご紹介したいと思います。

🏝️ 2. 当店で使っているのは「フーコック産」のヌクマム

ひと口にヌクマムと言っても、ベトナムにはさまざまな産地やメーカーがあります。

その中で、当店がお肉などの仕込みに使っているのは、ベトナム南西部にあるフーコック島で作られたヌクマムです。

フーコックは、ベトナムを代表するヌクマムの産地のひとつ。

アンチョビなどの小魚と塩を仕込み、大きな木樽の中で長期間発酵・熟成させる伝統的な製法で知られています。

出来上がったヌクマムは赤褐色の澄んだ液体で、しっかりした塩味とともに、発酵した魚ならではの濃い旨味を持っています。

ただし。

ボトルを開けて、そのまま匂いを嗅いでみると……

ちゃんと魚醤です。笑

独特の香りはしっかりあります。

では、なぜそんな調味料をバインミーのお肉に使うのでしょうか。

🔥 3. 当店では「かける」のではなく、お肉の旨味に使います

ヌクマムというと、

「出来上がった料理に上からかけるもの」

というイメージを持っている方もいるかもしれません。

もちろん、ベトナム料理にはヌクマムを使ったつけダレや仕上げの調味など、さまざまな使い方があります。

ですが、当店で大切にしているのは、

お肉を作る段階で、調味料として使うこと。

ヌクマムをそのまま味わえば、塩味も香りもかなり強い。

ところが、お肉の味付けに使って火を入れると、その印象はかなり変わります。

魚醤らしい香りは肉の焼けた香ばしさや他の調味料と馴染み、その一方で、発酵によって生まれた旨味はしっかり残ってくれる。

当店では、これがヌクマムの美味しい使い方のひとつだと考えています。

魚醤の味を前に出すのではなく、

加熱して、お肉の中に旨味として残す。

だから食べたときには、

「ヌクマムだ!」

というより、

「この肉、なんで旨いんだろう?」

くらいがちょうどいいのです。

🐷 4. ローストポーク、チキンフレーク、そしてベトナムハム

当店では、自家製ローストポークとチキンフレークの味付けにヌクマムを使っています。

看板メニューにも使っているローストポークでは、下味の一部として。

チキンフレークでは、鶏肉そのものの味に厚みを出す調味料として加えています。

どちらも主役はあくまでお肉。

ヌクマムは、その味を下から支える役目です。

そして、当店で使っている「ベトナムハム(チャールア)」の原材料にもヌクマムが入っています。

チャールアは、豚肉をなめらかな生地状にして作るベトナムではおなじみの肉加工品で、その味付けにもヌクマムは欠かせない調味料のひとつです。

こうして見ると、ヌクマムは単に、

「ベトナム料理にかける魚醤」

というだけではありません。

お肉そのものを美味しくするためにも使われる調味料。

当店のローストポークやチキンフレークにも、そんな「肉+ヌクマム」の美味しさを取り入れています。

🐟 魚醤の味ではなく、「後を引く旨味」を

ヌクマムは、バインミーの写真を撮ってもほとんど写りません。

ローストポークのように目立つわけでもなく、なますのように色鮮やかなわけでもありません。

でも、こういう目に見えない調味料が味の土台を作っています。

当店では、フーコック産のヌクマムをローストポークやチキンフレークの仕込みに使い、魚醤そのものを目立たせるのではなく、加熱してお肉の旨味として活かしています。

そしてベトナムハムにも、ヌクマムの旨味が隠れています。

次に当店のバインミーを食べたとき、

「なんだか後を引くな」

と思ったら、その奥でヌクマムもこっそり仕事をしているかもしれません。

高円寺にお越しの際は、ぜひそんな「見えない旨味」もまとめて、バインミーをがぶっと豪快に味わってみてくださいね!

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皆さまのご来店を心よりお待ちしております!

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